|
|
|
 |
 |
文化文政の頃の「仙台年中行事」に「二日の朝早くから店の 格子戸をたたいて初売り初買い」とあるように、仙台初売りは、遠く藩政時代から行われていました。
明治・大正期にはすでに全国に知られるようになりました。特別の娯楽もない当時、外に出て新年の喜びにあふれる街で、初買物をすることは 数少ない楽しみでもあったのです。 大盤振る舞いする商人の心意気は歓迎され、仙台独特の商習慣を培いながらますます盛んになっていきました。 元旦の夜半、店舗前の路上には人々がはやばやと列を作り始め、道ばたでたき火をしたり、毛布を持ち込んだり、懐炉を抱いたりして、暖をとりつつ店の開店を待ちました。店の戸が開 くと、お茶屋では太鼓をたたき、その隣では印半纏にたすき掛けで、声を枯らしての呼び込み宣伝をするといった具合で、そ
れは賑やかなものです。
小旗を立てて、鈴や太鼓の音もにぎにぎしい初荷出荷は、全国どこでも見られる光景ですが、どんな少額のものにでも、相当の景品がつくのが他では真似のできない仙台の初売りの特徴です。旧仙台藩以来の恒例行事とあって、この豪華景品には公正取引委員会でも、特例を設け、無粋な口出しを控えています。 初 売りゆえに、商店の人は、暮れも正月も返上で準備に追わ れる結果になります。そこで、戦後、昭和三十七年には、正月三カ日くらいは休もうと、商工会議所の音頭取りで、初売り四日が提案され実施されました。しかし、翌年からは足並みが乱れ、五十年からは三日実施となって定着しています。
最近は、マイカーで乗り付けたり、商品券の販売も目立って多くなり、大きな福袋や茶箱を手に未明の町を帰ってくる人々のざわめきは懐かしい時代のものとなりました。
現在では、インターネットによ るバーチャル初売りも登場しています。
時代にふさわしくかたちを変えながらも、 仙台商人の心意 気を見せる初売りは、今後も受け継がれて行くことでしょう。 |
|
|
|