こけしの作り方(描彩)

描彩の種類
 描彩には、各系統・各工人の個性や持ち味が、特に色濃くあらわれます。さらには、その時々の心模様や筆遣いの呼吸が、仕上がりを大きく左右するといっても過言ではありません。
 こけしに使われる主な色は、赤・緑・黄の3色と墨、時には紫や朱なども用いられます。描彩の手法は、手描きと線描きの二種類があります。「手描き」は、文字通りフリーハンドで、絵を描くときと同じように行う方法で、鬢(びん)、眉、眼、鼻、口、そして草花などの胴模様を描きます。とりわけ眼は、こけしの生命(いのち)といわれ、ある工人は息をつめてひとおもいに描きあげ、またある工人は夜静かな時間を選んで、身をひきしめ、心を込めて筆を運びます。
 「線描き」は、胴または頭をロクロに据え付けて、その回転を利用して、縞模様を描くもので、この方法で描かれた模様はロクロ線模様と呼ばれます。


こけしの模様
 こけしの模様は固定したものではなく、工人が創り出した意匠のうち、その土地の気風によく合ったものが受け継がれて残っていきます。ここではその主要なものを紹介します。  
手描き

手描き

1.手描き模様
最も多いのは菊模様で、写実的な菊花のほかに、これを巧みに図案化した重ね菊、旭菊、ボタ菊などが描かれます。また、桜も好んでデザイン化され、桜崩しなどは優れた美しい模様として知られています。梅もよく描かれ、枝梅、散らし梅などがあります。楓は鳴子こけしに多く、その他に牡丹、あやめ、撫子、変わり種としては井桁、木目、うろこなどが挙げられます。
ロクロ
2.ロクロ模様
ロクロを用いて線を引くもので、波型、折線、太い色帯の組み合わせのほか、足踏みロクロ特有の技術である「返しロクロ」の複雑な線模様が用いられています。

3.併用式
手描きとロクロ線を併用したもので、弥治郎こけしなどはその代表的なものです。

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