東北の山村に生まれ、その厳しくも豊かな風土の中で育ち、今日まで大切に受け継がれてきた伝統こけしは、東北地方に固有の郷土玩具。親から子、師匠から弟子へと、技法や形式が何代にもわたって継承される中で、その地域の風土(気候や風俗習慣、人々の気風)に合ったものが作りだされ、土地ごとに共通する形やつくり、顔の表情や胴模様などを持つこけしが定着していきました。このように地域独自の特徴を持つこけしの一群は「系統」と呼ばれます。
東北6県でつくられるこけしは、10の系統に分けることができ、主だった産地の名称で系統名がつけられています。
宮城県内には「鳴子」「遠刈田」「弥治郎」「作並」の4つの本流、それに「肘折」と加え、実に5つの系統があります。これがまさに「こけし王国」といわれるゆえんです。みちのくの温かな心と、工人の熟練の技が生んだこけし。素朴な姿形のなかに、ふるさとの熱い想いとおおらかな美しさが静かに息づいています。 |